ねこねこ研究室

なぜ、レゴブロックなのか

プロジェクション科学から見た、作って語ることの意味

「楽しいから」では説明にならない

レゴ®シリアスプレイ®の研修を検討するとき、必ず出てくる問いがあります。「なぜレゴなのか」です。

この問いに「楽しいから」と答えてしまうと、そこで話が終わります。研修は楽しむために行うものではないからです。手法を選ぶ理由は、効果の仕組みで説明できなければいけません。

このページでは、レゴ®シリアスプレイ®が何をしている手法なのかを、認知科学の言葉で説明します。

プロジェクション(投射)という働き

人は、目の前にあるものをそのまま受け取っているわけではありません。自分の内側にあるイメージや意味を、対象に映し出しながら世界を捉えています。この働きをプロジェクション(投射)と呼びます。

同じ写真を見ても、人によって見えているものが違う。同じ言葉を聞いても、受け取り方が違う。それは、それぞれが自分の内側にあるものを、対象に重ねているからです。

近年の認知科学では、この投射の働きを中心に据えて人の認知を捉え直す研究が進んでいます。

※ 参考文献の記載は準備中です。

手で作ると、投射が外から見えるようになる

レゴ®ブロックで何かを作るとき、私たちはこの投射を無自覚に行っています。どのパーツを選ぶか、どこに置くか、何色にするか。ひとつひとつの選択に、言葉にできていない思いが映り込みます。

重要なのは、それが目に見える形で外に出るという点です。頭の中にあるあいだは、本人にも取り出せません。手を動かして外に出したものは、本人が眺めて、指をさして、説明することができます。

語ることで、自分の思いを回収する

作品ができたら、それが何なのかを本人が説明します。この順番が肝心です。考えがまとまってから話すのではなく、まず作り、それから言葉にする。

このとき多くの人が「作っているときは考えていなかったのに、説明したら意味が出てきた」と言います。作品に映し出したものを、語りながら自分で回収しているのです。

そして、この語りは他人にも届きます。「私はこう思います」と言うのは勇気がいりますが、「この赤いブロックは」と言うのは簡単です。作品が、話しにくいことを話すための足場になります。

レゴ®シリアスプレイ®は、この働きを意図的に使う

レゴ®シリアスプレイ®は、この一連の流れを手順として設計した手法です。問いを出し、全員が作り、全員が語る。この構造があるために、発言の量が偏らず、声の大きい人だけで場が進むということが起こりません。

つまり「レゴだから楽しい」のではなく、外に出して、それを見ながら語るという手順そのものに効果があります。

ねこねこ研究室では、この理屈を参加者にも共有します。何が起きているのかを理解して臨むほうが、現場に持ち帰れるものが増えるからです。

実際の場を見てみたい方へ

研修としての導入も、個人での参加も受け付けています。内容が固まっていない段階でのご相談も歓迎します。